静的コーン貫入試験(技術資料)の特徴
1.静的コーン貫入試験とは
静的コーン貫入試験は、貫入先端(コーンなど)をつけたロッドを静的に貫入し、地盤のコーン貫入抵抗を深さ方向に連続的に求める試験です。この試験にはいくつかの種類があり、試験方法により適用範囲が異なりますが、主に軟弱な粘性土や砂質土地盤に対して適用します。
静的コーン貫入試験を標準貫入試験(第15章)と比べてみると、貫入能力と土質の適用範囲では、標準貫入試験の方が優れているが、作業効率に関しては、静的コーン貫入試験の方が優れている。
本章では、地盤工学会で基準化またはJISで規格化されている次の静的コーン貫入試験について説明する。
2.試験方法の概略
静的コーン貫入試験は、試験の種類によって、試験方法が大きく異なり、コーン貫入抵抗の測定方法として、地上部の荷重計で測定するもの、コーンの直上部に荷重センサーを取り付けて電気的に測定するものがあります。また、貫入方法には、人力で行うものと、機械的な貫入装置を利用して行うものがあります。以下に1に試験手順の概要を示す。
3.結果の利用
この試験は、地盤の強さや土層構造を詳細に把握することを目的として、調査ボーリングの補完調査や精密調査に多く利用されています。また、試験方法によっては、建設機械のトラフィカビリティー、基礎の支持力、土の力学的性質の把握や土質の判定などにも利用されています。
4.結果の目安
試験結果から得られるコーン貫入抵抗は、試験方法によって値が異なることが知られています。例えば、ポータブルコーン貫入試験とオランダ式二重管コーン貫入試験を比較すると、それぞれのコーン貫入抵抗には次のような関係が示されています。
qc≒0.741 qcd
ここに、qc:ポータブルコーン貫入試験によるコーン貫入抵抗(kN/㎡)
qcd:オランダ式二重管コーン貫入試験によるコーン貫入抵抗(kN/㎡)